甘い誓いのくちづけを
―――――――…



青空園を出たら、真っ先に理人さんに電話をしよう……


青空園の最寄駅から施設に向かって歩きながら立てた決意に、胸の奥がズキリと疼き、鼻の奥がツンと痛んだ。


それをグッと堪えて、必死に笑顔を繕う。


きっと、別れ話は避けられないだろう。


だけど…


それでも、理人さんと過ごした日々は本当に幸せだったから、ちゃんと笑顔で終わりにしたい。


そんな事を考えて、胸の奥がキュッと締め付けられた時…


「瑠花ちゃん!」


後ろから誰かに呼ばれ、手首をガッと掴まれた。


「きゃっ……!?」


驚きながらも振り返ると、視界に入って来たのは一瞬だけ想像した男性(ヒト)とは違う男性だった。


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