甘い誓いのくちづけを
「英二さん……?」


会うはずの無い場所で会った男性(ヒト)を前にして、思わず目を大きく見開く。


「久しぶり。……あ、驚かせてごめんね」


手を離されて向けられた笑みは相変わらず綺麗だったけど、あたしの頭の中を占めるのは全く別の事。


「どうして、こんなところに……?」


「瑠花ちゃん、今から青空園に行くんだよね?」


「えっ?」


英二さんがどうしてそんな事を知っているのか、不思議で堪らなかったけど…


「君を待ってたんだ。少しでいいから、俺に時間をくれないかな?」


それよりも先に紡がれたお願いを、断る事なんて出来なかった。


だって…


英二さんは、『君を待ってた』って言ったから…。


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