甘い誓いのくちづけを

英二さんに促されて踵を返し、大通りに面した小さなカフェに入った。


オルゴールの音色が流れる店内は、わりとお客さんが多い。


「何にする？」


「じゃあ、カプチーノを……」


英二さんはコーヒーとカプチーノを注文した後、ほんの少しだけ眉を下げて微笑んだ。


「さて、何から話そうかな」


呟かれたのは、きっと独り言に近い言葉だったのだろうけど…


「あの……どうしてあんなところに？」


英二さんが本題に入る前に、とりあえず今一番気になっている疑問を口にした。


「それに、あたしが青空園に行く事も……」


「本当は先に駅で待ってるつもりだったんだけど、電車に乗り遅れちゃったんだよね……。瑠花ちゃんが青空園に行く事は、理事長に教えて貰ったんだ」