甘い誓いのくちづけを
一先ず頭の中を整理しようと、英二さんと理事長の言葉を思い出していく。


『あいつが二十歳の頃、親から告げられた事にショックを受けて自棄になってた事があってさ』


『その少し後に、あいつは家を出る事も視野に入れて海外に留学した』


『1年経って帰国した時も、たぶんあいつはそのつもりだったと思う』


『そんな時、理人は瑠花ちゃんと出会った』


『あの時のあなたの答えに、救われた人がいるもの』


『実は、あなたに“あの質問”をした時、ここの隣の部屋にその人がいたの』


『私があなたに質問をした事はね、つまらない意地を張っていた彼が、彼自身も気付かないうちにこだわっていた事だったの』


これだけの言葉が並んでも、やっぱりまだわからない事ばかり。


だけど…


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