甘い誓いのくちづけを
間宮さんを見ると、彼女は頬をほんのりと赤らめていた。


「あの日、間宮は仕事の用事で家に来たんだけど、その前に甲斐さんと喧嘩をして頭に血が上っていたらしい」


呆れたように笑った理人さんに、間宮さんが居た堪れなさそうに俯いた。


「本当にごめんなさい……」


幼い子どものようにバツの悪そうな顔をした彼女に、思わずフワリと笑みが漏れてしまう。


甲斐さんが間宮さんの恋人だという事には驚いたけど、彼女の顔を見れば彼への想いが伝わって来たから…。


「あの、気にしないで下さい。正直に言うと、間宮さんに恋人がいてホッとしました。もし間宮さんが理人さんの事を好きだったら……って、実はずっと不安だったから……」


素直な気持ちを告げると、二人が目を見開いた。


< 535 / 600 >

この作品をシェア

pagetop