甘い誓いのくちづけを
仕事以外では気が合わないと言った二人の意見は、見事に一致していたけど…


「あんまり触るな、間宮」


とりあえず、間宮さんの抱擁から逃れる事に必死だった。


見兼ねた理人さんが助けてくれたものの、今度は彼の腕の中に収まってしまう。


「あら、本当に独占欲が強いのね。木藤君が言ってた通りだわ」


「……英二から何を聞いたんだよ?」


「そうね、それはもう色々と……。貴島君の情けない話とか、貴島君がすごくウジウジしてた事とか、貴島君がこの世の終わりみたいな顔してたって事とか。それから……」


「もういい……」


プライベートの時には、理人さんが間宮さんの事を呼び捨てにするのも、彼女が彼の事を『君』付けで呼ぶ事を知ったのも、この日だった――。


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