甘い誓いのくちづけを
―――――――…



「ねぇ、瑠花さん。貴島君から本当に何も聞いていないの?」


「あ、はい」


車が走り出してから尋ねて来た間宮さんは、あたしの答えを聞いて呆れたように苦笑を零した。


「今日はね、Edelsteinのレセプションパーティーがあるの。それで、貴島君は瑠花さんも招待したかったみたいなんだけど、『普通に誘ってもきっと断られる』って言うから、私が一役買おうと思ったんだけど……」


「瑠花さん、すみません。お節介な奴で」


「ちょっと、逞(タクマ)!お節介って何よ!」


「何だよ、本当の事だろ?何か間違ってるか?」


“パーティー”という言葉に固まったあたしを余所に、間宮さんと甲斐さんが言い合いを始めた。


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