甘い誓いのくちづけを
「瑠花さん、ちょっと失礼します」


「あ、はい……」


戸惑いながらも小さく頷くと、甲斐さんはドレスのウエスト部分や裾を隈無く確認した。


「バッグは?」


「もちろん、用意してあるわよ」


「ピアスも、コサージュに合わせて出したやつを持って来させて」


「えぇ」


理人さんから、甲斐さんがMon amourの優秀なデザイナーだと言われている事は聞いていたけど…


実際に指示を出す彼を見れば、それがよくわかった。


「どこか苦しかったりしませんか?」


「あっ、はい」


「じゃあ、あっちでヘアメイクをして貰うわね。瑠花さん、こっちよ」


甲斐さんの質問に頷いた直後、また間宮さんに引っ張られて更に奥へと連れて行かれた。


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