甘い誓いのくちづけを
「あの、間宮さん、甲斐さん。本当にありがとうございます」


頭を深々と下げると、間宮さんと甲斐さんが顔を見合わせた後で、あたしに笑みを向けた。


「お礼なら貴島君に言ってちょうだい。私達は、ただ頼まれた事をしただけなんだから」


「そうですよ。それに、このドレスをリクエストされたのは、貴島さんですから」


「え……?」


甲斐さんの言葉に瞬きをすると、間宮さんがあたしの手にバッグを持たせた。


「だから、お礼は貴島君に言って。ね?」


「はい」


「じゃあ、行きましょう。パーティーが始まる前に、王子様の驚いた顔を見なきゃ」


悪戯っぽく笑った間宮さんに促され、あたし達は再び甲斐さんの車に乗って、パーティー会場へと向かった――…。


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