甘い誓いのくちづけを
「……あの時って、もしかして俺と青空園に行った時の事?」


「はい」


「それなら、もう何度もお礼を言って貰ったと思うんだけど……」


「でも、面と向かってはまだ言えてなかったから……」


キョトンとした英二さんに微笑むと、彼がどこか呆れたような、それでいて嬉しそうな笑みを零した。


「律儀だね」


英二さんと会えたのは、彼が理人さんの事を話してくれた日以来…。


本当はもっと早くに会って、お礼を言いたかったけど…


理人さんの仕事が忙しくて三人の予定が中々合わず、結局は英二さんには電話でお礼を言ったきりになっていた。


もう3ヶ月近く前の事とは言え、理人さんとあたしの為に行動してくれた英二さんには、どうしても直接お礼を言っておきたかったのだ。


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