甘い誓いのくちづけを

１時間程バーで過ごした後、理人さんの「そろそろ出ようか」という一言をキッカケに解散する事になった。


「ねぇ、瑠花さん。今度、ぜひ家に遊びにいらっしゃい。ね？」


「はい、ありがとうございます」


「楽しみに待っているよ」


「はい」


バーを出てすぐに理人さんの両親とそんな言葉を交わし、皆が乗り込んだエレベーターに乗ろうとした時…


「瑠花はこっちだよ」


後ろから回された腕があたしの腰をガッチリと掴み、行く手を阻まれてしまった。


「えっ……？」


「瑠花さん、おやすみなさい」


「おやすみ、瑠花ちゃん」


突然の事に目を見開いたあたしは、エレベーターのドアが閉まる直前に間宮さんと英二さんを筆頭に掛けられた言葉に、返事すら出来なかった。