甘い誓いのくちづけを
「えっと……」
理人さんと一緒だから、別に不安は無い。
だけど…
自分の置かれている状況が把握出来なくて、必死に頭の中を整理する。
その間にあたしの手を引いた理人さんは、無言のまま隣のエレベーターに乗り込んだ。
「あの、帰らないんですか……?」
「今夜は瑠花と一緒に過ごしたいんだけど」
「え?」
「……ダメ?」
密室の中、耳元で落とされたのは甘美な囁き。
ずるい……
そんな風に訊かれて、断れる訳が無いのに…。
そんな風に訊かれなくても、あたしが一緒に過ごしたいと思っている事をわかっているくせに…。
秀麗な顔で柔らかく微笑む理人さんは、きっと誰よりも狡猾(コウカツ)なんじゃないか、なんて思えた。
理人さんと一緒だから、別に不安は無い。
だけど…
自分の置かれている状況が把握出来なくて、必死に頭の中を整理する。
その間にあたしの手を引いた理人さんは、無言のまま隣のエレベーターに乗り込んだ。
「あの、帰らないんですか……?」
「今夜は瑠花と一緒に過ごしたいんだけど」
「え?」
「……ダメ?」
密室の中、耳元で落とされたのは甘美な囁き。
ずるい……
そんな風に訊かれて、断れる訳が無いのに…。
そんな風に訊かれなくても、あたしが一緒に過ごしたいと思っている事をわかっているくせに…。
秀麗な顔で柔らかく微笑む理人さんは、きっと誰よりも狡猾(コウカツ)なんじゃないか、なんて思えた。