甘い誓いのくちづけを
てっきりそのまま部屋に行くのかと思っていたら、理人さんから最上階にあるバーに誘われた。


「せっかくだから、二人で飲み直そう」


「はい」


「さっきの店もいいけど、最上階のバーはまた違う雰囲気でオススメなんだ」


ウェイターに案内された窓際の席は、【Reserved seat】のカードが置かれていて…


周辺の夜景どころか、遠くのベイブリッジまで一望出来る。


予約してくれていた事にも、この煌びやかな景色にも、驚きを隠せない。


あまりの感動で目を瞬くあたしを見つめる理人さんは、やっぱり微笑んでいた。


「お待たせ致しました」


しばらくして運ばれて来たのは、華奢なワイングラス。


その中で揺れる赤い液体が何なのか、なんて事は考えなくてもわかった。


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