甘い誓いのくちづけを
「ねぇ、瑠花」


優しい声が、あたしの名前を愛おしげに紡ぐ。


「君だけの為に作ったリングを、受け取ってくれる?」


柔らかい笑みとともに零された、想いが満ち溢れた言葉。


嬉しくて堪らないのに夢なんじゃないかと疑って、何も言えなかった。


「念の為に言っておくけど、これは誕生日プレゼントじゃないよ?」


理人さんは、そんなあたしの気持ちを察するように冗談めかして笑った後、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめた。


「永遠に、俺の傍にいて欲しいんだ」


あぁ、ほら……


あたしは、何て幸せ者なんだろう……


言葉に出来ない程の幸せに、胸の奥が静かに震えている。


やっぱり、今日だけで一生分の幸せを使い果たしてしまったに違いない。


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