甘い誓いのくちづけを

理人さんの左手に乗せられたあたしの左手の薬指に、ゆっくりとリングが着けられる。


真ん中で存在を主張するダイヤモンドの左下には、そっと寄り添うようなピンク色の宝石。


「ダイヤモンドと、ピンクダイヤモンドだよ。ピンクの薔薇をイメージして、デザインしたんだ」


そう言って笑った理人さんにまた幸せを感じる反面、何も返せない事への寂しさを抱く。


だからせめて、この想いの丈を伝えようと背伸びをして彼の首に腕を回した。


それから、形の綺麗な唇に引き寄せられるように口付けた。


そっと触れるだけの、静かなキス。


「愛してるよ、瑠花」


程なくしてゆっくりと唇を離すと、幸せそうに微笑んだ理人さんがあたしの耳元でそんな囁きを落とした。