甘い誓いのくちづけを
数年前の理人さんが、あたしを見付けてくれた事も…。


文博に別れを告げられたあの夜に、あたしが理人さんと出会った事も…。


今こうして、体を繋げようとしている事も…。


ただただ幸せで、神様が与えてくれた運命だと思う。


「瑠花……」


優しくあたしを欲する声は甘く、それでいて狂おしい程の愛を伝えようとする。


与えられるそれに嬌声を漏らし、あたしもその想いに応えるように目の前の体に必死にしがみつく。


「愛してる……」


眉間にシワを寄せて秀麗な顔を歪ませ、あたしの内(ナカ)に入って来た理人さんの体温は溶けてしまいそうな程に熱くて…


波打つ真っ白なシーツの上でどこかに攫われてしまいそうになりながらも、心の中はやっぱり愛と幸せで満たされていた――…。


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