甘い誓いのくちづけを
「お風呂を沸かしておいたから、一緒に入ろうか」


甘い笑顔に釣られて頷いてしまいそうになったところで、慌てて拒絶の言葉を口にした。


「いっ、一緒なんて無理ですっ!!」


「大丈夫、ここのバスルームは広いから」


「そういう問題じゃっ……!」


理人さんはフッと笑うと、必死に首を横に振るあたしの体をスッと抱き上げた。


不安定な体勢に驚きつつも、辛うじて手にしていたシーツで咄嗟に体を隠す。


「今更隠さなくてもいいのに」


「いえ、あの……」


平静を取り戻そうにもカクカクと揺れるのが恐くて、つい理人さんの首にしがみついてしまって…


「……瑠花、もしかして誘ってる?」


悪戯な笑みを浮かべた彼に、頬がカァッと熱を帯びた。


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