甘い誓いのくちづけを
朝食を済ませた後、理人さんから「間宮からの誕生日プレゼントだよ」と渡されたMon amourのワンピースに目を見開き、すぐに彼女にお礼の電話をしてからそれに着替えた。


程なくしてチェックアウトを済ませ、未だに行き先を教えてくれない事を怪訝に思うあたしを乗せた彼の車が、賑やかな街を走り出した。


「今日が自分の誕生日だって事、昨日はすっかり忘れてました」


「え?」


「だって、突然パーティーに参加する事になったと思ったらその後もサプライズだらけで、ビックリしてばかりだったから……。でも、理人さんに一番最初にお祝いを言って貰えて、すごく嬉しかったです」


前を向いたまま嬉しそうに笑った理人さんの横顔に、あたしまで釣られて微笑む。


それからも他愛のない話をしている間に、見慣れた場所に到着した。


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