やせっぽちの愛 ~慟哭!~

(八)アパートへ

tomko!

「今夜、泊めてくれる? 
明日、大阪に行くの。
お友だちと、関西旅行の約束してるの。
その前に、どうしてもあなたに逢いたくて。」

それが、君の第一声だった。
音信不通の理由を聞きたかったけど、何だか怖くて聞けなかった。

疲れが見える君だった。
すぐにも車で移動するのはつらそうに見えたから、空港内でひと休みすることにしたね。
でもお互い無口で、少し気まずい雰囲気だった。

僕のアパートに着いた時には、夜になっていた。
時計の針が、七時を回っていた。

灯りを点けようとする僕に、君は……。

まさか、だった。
突然のことに、僕はドギマギとした。
僅か一年のことなのに、君は大きく変わっていた。

あの時の君は、少女だった。
そして今日の君は、大人の女性だった。

喜ぶべきなのか、哀しいことなのか。

「ごめんね…ビックリしたでしょ。
あなたを確かめたくて……」
「う、うん、ちょっとね…」

僕にとっては、ファーストキスだったんだ。
男のくせにと思うかも知れないけど、もう少しロマンチックな中でしたかった。

「あぁ、お腹空いちゃった! 
なんか、食べに行こうか。」
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