やせっぽちの愛 ~慟哭!~
まったく君は。
テーブルの上に置かれた、お寿司・菓子パン・カップうどんetc。

よくもまあ、これだけ買い込んだもんだ。

ファミレスもチェーン寿司店も、人人人で、諦めて帰ってきた二人だった。
でも僕としては、その方が嬉しいんだけどね。

君もそうだろう?

「そんなに、見ないでよ!」
驚くべき食欲だ! 

呆気に取られる僕に、君は、はにかみながら言った。
でも、美味しそうに食べてる。

「嫌いになった?」
上目遣いで、僕に聞いてきた。

「とんでもない!」
即座に答えた、僕。

二人並んで、CD鑑賞。
僕の好きなマドンナを聞いた。

「こんなのも、あるんだよ。」
得意げにパソコンを立ち上げて、マドンナのPV鑑賞。

「えっちいぃ!」
君の声が、僕の耳元に悩ましかった。

「そうだ! お土産があるのよ。
ごめんね、忘れてた。」

大きなバッグの中から取り出されたのは、こけしだった。
それも、二体だ。

君の説明によると、白石市特産の物で、
頭部をロクロで二重、三重の輪が描かれているとのこと。
ベレー帽をかぶっているように見えた。

もう一つは、
「鳴子系伝統こけしよ。」
って言ったね。
胴が太くて、首を回すとキイキイ音がした。

「私みたいでしょ!」
 笑いながら言う君だったけど、目が笑っていない。

「そうだね、そう言えば…」
「こらっ! そんなに太ってないゾ、私。」

そう言いながら立ち上がった君は。
グッと腰を手で押さえて、そして胸を張って、

「あの時より、胸だって膨らんだんだからね。
ふふ…確かめてみる?」

と、僕の目の前に…。
おかしい、絶対おかしいよ。

僕の知ってるtomkoじゃない!  
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