やせっぽちの愛 ~慟哭!~
(三)君が、来た!
tomko!
覚えていますか? 初めて逢った夜のことを。
内線電話で知らされた僕は、すぐにロビーに駆け下りました。
六時四十八分でした。
約束の時間は七時だったのに、君は早く来てくれました。
エレベーターを待つ時間ももどかしく、僕は階段を駆け下りたんだよ。
モスグリーンのスカートに、白いブラウス姿の君は、
光り輝いて見えました。
ソファに行儀良く座っていた君の横顔を見た時、
思わず立ち竦んでしまった。
同じ高三とは思えない、大人びた君が居ました。
伏目がちの君は、他に居た誰よりも、綺麗でした。
「おぉぉ! 美人ジャン!」
「すっげぇ!」
突然、僕の後ろから歓声が上がりました。
驚いて振り返ると、クラスメートが居ました。
てっきり自由外出に出かけたと思っていたのに、
どこで嗅ぎ付けたのか、君を待っていたらしいんです。
とんでもない! 僕は、誰にも話してません。
心外だ、そんな疑問を持たれるなんて。
でも、ここ二週間ほどの僕から、
”なにか、あるゾ!”
と、思ったらしいんだ。
突然、にやついたり、ため息を吐いたり、遠くを見るような視線とか。
修学旅行が近付くに連れ、そんなことが多々あったらしい。
僕は、まるで気が付かなかったけど。
覚えていますか? 初めて逢った夜のことを。
内線電話で知らされた僕は、すぐにロビーに駆け下りました。
六時四十八分でした。
約束の時間は七時だったのに、君は早く来てくれました。
エレベーターを待つ時間ももどかしく、僕は階段を駆け下りたんだよ。
モスグリーンのスカートに、白いブラウス姿の君は、
光り輝いて見えました。
ソファに行儀良く座っていた君の横顔を見た時、
思わず立ち竦んでしまった。
同じ高三とは思えない、大人びた君が居ました。
伏目がちの君は、他に居た誰よりも、綺麗でした。
「おぉぉ! 美人ジャン!」
「すっげぇ!」
突然、僕の後ろから歓声が上がりました。
驚いて振り返ると、クラスメートが居ました。
てっきり自由外出に出かけたと思っていたのに、
どこで嗅ぎ付けたのか、君を待っていたらしいんです。
とんでもない! 僕は、誰にも話してません。
心外だ、そんな疑問を持たれるなんて。
でも、ここ二週間ほどの僕から、
”なにか、あるゾ!”
と、思ったらしいんだ。
突然、にやついたり、ため息を吐いたり、遠くを見るような視線とか。
修学旅行が近付くに連れ、そんなことが多々あったらしい。
僕は、まるで気が付かなかったけど。