やせっぽちの愛 ~慟哭!~

(七)再会

tomko!

何年ぶりだろう。
一年なんだね、まだ。
もう十年も経ってる気がしてた。

=五月の連休に、あなたの元に行きます。
 まだ、わたしのこと、覚えてくれてますか?
 小牧空港まで、迎えに来てくれますか? 
 OKなら、お返事ください。
 だめですか? 
 わたしのことなんか、もう忘れてますか。

だめなことなんか、あるものか! 
すぐにOKのメールを打つよ。
新しいメルアドに。

到着ロビーで待ってた時の僕の気持ち、
どう言ったらいい? 期待と不安の入り混じった、複雑な思いでした。

何度もメールにある時間の確認をしました。
居ても立ってもおられず、二時間も前に着きました。

ありがとう。
セントレア空港なら、仙台から何便も出ているのに。

遠いでしょうからって、わざわざ花巻空港から来てくれて。

でも、それだけじゃなかったんだね。
もう一つ、理由があったんだね。

仙台空港を避けた大きな理由が……。

会社に無理を言って、車を借りてきました。
社名入りのトラックだけど、君は嫌がらないよね。

僕がいつも乗ってる車なんだ。
サンバイザーの裏にね、君の写真を挟んでいる、車なんだよ。

君が搭乗している飛行機が着きました。
十分遅れの到着です。

どっと人が出て来たけれど、
背の低い君は人込みに隠れてしまうんじゃないだろうか? 
僕は、すぐに見つけられるだろうか?

「あっ!」
思わず、声を上げてしまった。

いの一番に、君が飛び出してきた。
僕を見つけた君は、大きく手を振っている。

僕も、負けじと大きく手を振った。
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