Girl's? collection 1
「何だって?」
にっこり笑うユズ。それが逆に怖い。
「あ・・・いや、その」
「言ってごらんよ。」
「いや・・・あの。」
「言ってみて?」
「あ~・・・すいません」
「な~お~き~くん?」
「マジごめんって・・・・・・」
「ちょっと待ってくださいまし。」
「「へ?」」
チョウがいきなり立ち上がる。一体どうしたっていうんだ?
「今、【なおきくん】と、おっしゃっいました?」
「確かに言ってたね~」
「「あ・・・・・・」」
サヨも本から目を離し、オレを見つめる。
おっとぉーーーーーー
「ヤベッ!」
ヤベッじゃねぇよ、ユズ。
「・・・・・・や、やだなー。【私】は女の子だよ。何間違えてんの。ユズー。」
あわてて思いついた嘘をつく。
しかし、チョウたちの顔つきは変わらない。
「もともとおかしかったんですわ。クラスもわからない。というか、こんな人見たこともない。」
「まー最初から怪しいとは思ってたけどね。」
ヤバい、ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい
タラーっと冷や汗が流れた瞬間。
サヨが笑った。
「なーんてね。」
「冗談ですわ。」
チョウも軽く微笑んでいる。
「「えっ?」」
驚いたのはオレたちの方だ。
「とっくに気づいてましたわ。あなたが早坂ナオキさんってことぐらい。」
「うん、そうだよー。」