Girl's? collection 1
モデル?モデルってあのモデル?いや、別に嫌じゃないけど、オレがするのか!?
そんなオレを見て目の前の女は嘲笑った。
「言っとくけど、拒否権ないから。これから私たちの言うこと、無条件で聞いてもらうから。もちろん無償で。」
「何でオレなんだよ。っていうか、何でさっきからイラついてんだよ」
そうだ。オレは指図受ける義務なんかない。
「何で?・・・決まってるでしょ。モデルに使える子があんたぐらいしかいないの。
それと、あんた私に謝ることがあるんじゃないの?」
なぜ、初対面の女子に謝る必要があるのだろうか。
「オレはあんたの名前すら知らないんだぞ?それなのに謝る?ふざけんなよ。」
だんだんオレもムカついてきた。
「だってあんた私のぱ・・・ぱぱ・・・・・」
突然、彼女の顔が赤くなっていく。
オレは何を言ってるのか全くわからないでいた。
そして、半分ヤケになったように、彼女は言う。
「私のパンツ見たでしょう」
今、何か口に含んでいたらきっと吐き出していた。幸い何も食べていないオレは混乱しながら言った。
「何言って・・・」
「私知ってるんだから。あんたが私のスカートの中覗いていたのを。3階の廊下から脱出した時、じっと見てたでしょう」
3階の廊下・・・?まさか、
「窓から飛び降りた、あの時?」
頷く彼女。
「いやいや、オレ見てないからあと、それで見たとしても不可抗力だろ。」
「あ、今そんなこと言って罪から逃れようとした!新聞部にこのネタ売っちゃうよ。」
「悪魔かお前は。ってかオレ本当にやってないって。」
――新聞部
別名パパラッチ部と呼ばれ、人の失敗談などをそれはもう面白おかしく他人に暴露する。
最低な部活である。
そんなオレの弁解のかいもむなしく、彼女は不敵に笑うだけだった。
「新聞部に暴露されたくなかったら、この部活に入りなさい。」
「・・・っ・・・・・・。」
このままこいつにこき使われるか、新聞部のネタにされ学校中に変態扱いされるか。
最悪の2択だな。
・・・でも・・・仕方ない。
悩んだ末、決断した。
「わかったよ。この部活に入部する。」
それを聞いた彼女はニコッと笑う。
「歓迎するわ。私の名前は綾瀬遥。どっかの芸能人よりもかわいいでしょ。みんなハルカって呼ぶわ。」
こいつナルシなんだ。
軽くひきつつハルカから差し出された手を、オレは握ってしまった。