Girl's? collection 1
「ただいま。」
高校に入っても習慣というのは抜け切らないようで、今日も無意識に声を上げた。
まもなくドドドドっと足音が聞こえ始めた。
「兄ちゃん!」
妹の葵(以降アオイ)がものすごい形相で走ってくるじゃないか。
「おい、気をつけないと・・・」
言ったかいもむなしく、アオイは
ツルッ・・
「あいたっ」
何もないところでこけた。
「はぁ、言わんこっちゃない・・・。」
アオイのドジ加減にはもう慣れている。
本人もすぐに起き上がる。
「にににに兄ちゃん彼女が出来たって本当今日、友達が見たって」
「あーそのことか・・・。」
オレの返答をどう勘違いしたのか
「嘘でしょ?毎年バレンタインは義理チョコもらえるかもらえないか五分五分の兄ちゃんが――」
「おいおいおいおい!オレをなんだと思ってんだよ。安心しろ。彼女なんか出来てないから。」
「・・・。」
なぜ黙る。妹よ。
「そ、そうだよね。おかしいと思ったんだ!全てにおいて平均的な兄ちゃんが、まさか彼女なんてさ。」
「ハッハッハ・・・とう」
妹にチョップを加えたところで、オレは階段を上り部屋を目指した。