Girl's? collection 1
Her days of past
side ユズ
通りに響く罵声。
通行人は迷惑そうな顔をして通り過ぎる。
「うるせぇガキが!」
ひときわ大きな声で屋台のおじさんが叫ぶ。
そして
"うるせぇガキが!"
頭の中で【あの人】も叫ぶ。
――やめて。
「ピーピーわめきやがって。」
"黙れ!ピーピー泣きやがって!"
――やめて。
"せっかくだ。有効活用してやる。"
『ごめんなさい。ごめんなさい。』
――やめて・・・ください。
「ユズ?」
はっ、と我に返るとあいつが変な顔をしていた。
今まであたしは何を考えていた・・・?
何を思い出していた・・・?
「・・ぁ・・・ごめん!」
その場所にいたくなくて。私は逃げた。