Girl's? collection 1
さて、ついにオレの番がきた。
パァン!!
とりあえず走って机に向かう。他の人は慎重に選んでいるようだった。オレは1番出前のものを開き、中を確認する。
『美しく気高い生徒会長』
これを書いたやつは会長ファンだな、と思った。
「た、タコ!?そんなのどこに!?」
隣の人は頭を抱え、
「赤組の異性の靴下!?誰も貸してくれねーよ!!」
前の人は青ざめていた。
1番借りやすいかも。ラッキー。
生徒会長は本部のテントの中で不正を行っていないか見張っている。常に左腕に腕章を付けているため分かりやすい。
急いで本部テントへ向かう。
「会長。一緒にゴールまで走っていただけますか?」
そう言うと、会長は
「2-B 出席番号23番 早坂直樹か。よかろう。お供しよう。」
と凛々しくこちらを見た。
肩より少し長い髪が揺れる。成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗とくれば誰もが納得の生徒会長だ。校内三大美女にも選ばれているにも関わらず、それを自慢しない。きっと性格の良さも支持率アップの要因になっているに違いない。
「足が遅れているぞ。早坂直樹。」
「あ、すいません。」
会長について考えていたら気をとられていた。
「お疲れのようだな。いろいろと。」
息一つ上げない彼女は余裕そうにオレを見た。その言葉に何か含みがあるような気がした。
「体育祭が終わり、中間テストが終われば文化祭だ。ショーの準備は整っているのか?」
「えっ・・・?」
「全校、まぁ一部を除いてだが、全校全員を騙せても、私の目は騙されないぞ。2-S 出席番号10番 如月ナオ?」
『ダントツの1位は黒組!!生徒会長と共に華麗にゴール!!』
放送委員会の実況が果てしなく遠くで聞こえた気がした。
「あんた・・・。」
「なぜこのような事態になったのかは不明だが、あまり生徒会をなめないでもらいたい。これは葉月高校創立以来の1大事だ。わかるかね?生徒全員を騙す罪は思いぞ。」
そう言い残し、生徒会長は本部へ戻って行った。