Girl's? collection 1
No peace , No life
入部してから1ヶ月が経った。
不本意ながら、女装にも慣れてきた。放課後になったらすぐに【女子の女子による女子のための部活】と書かれた用具室に行き、ハルカが来るのを待つ、というのが習慣になった。
今日も早めに用具室に行きハルカを待った。だがなかなか来ない。
おかしいな。いつもならもう来ていい時間なのに・・・。
何もわからないオレは部屋を見回した。
少しほこりがたまったそこは、いろいろなもので溢れかえっている。そんなに広くないのでまぁ仕方ないと思うけども。
壁にハンガーによってかけられた服たち。
長机の上に積み上げてあるさまざまな箱。そこにはネックレスだったり、帽子だったり、紙止めだったり・・・たくさんのアクセサリーが出番を待っていた。
マネキン、着替え用の大きなカーテン・・・。
ここに来るとすべてがキラキラして見える。
そう
この部屋自体がまるで宝石箱のように。
「ここ、男子禁制なんだけど。」
後ろから鋭い声。驚いて後ろを振り返ると、用具室の窓にユズがまたがっていた。今日はPSPを持たずにヘッドホンだけを頭にかけている。
「いや、だって・・・」
いや、待てよ。
オレ今女装してねぇ
ユズはオレをけげんな目で見ている。
ヤバいヤバいヤバい
「変態。」
「違うこれには海より深~いわけが・・・。」
「ふーん。否定するなんて往生際が悪い。男のくせに。」
「いや、本当にしてないからってか、もう決めつけられてる」
「おーまわーりさーん。」
「ちょちょちょちょちょっ」
あわててユズに駆け寄る。そしてその勢いのまま彼女の口をふさごうとしたため・・・
「うわっ!」「うおっ!」
ドシン
走った勢いが速すぎてそのスピードが止まらない。
それに急に止まろうとしたせいで前につんのめる。
ナオキ「あー痛たた・・・。」
ユズ「・・・・・・」
今の状況を確認する。
・・・・・・冷や汗が出た。
気づけば、オレがユズを押し倒す格好になっていた。
そしてそしてそして・・・
最近のオレは運が全くないらしく。
「ごめんごめん、補習に引っ掛かっちゃって・・・・・・って―――。」
あぁ神様・・・
オレってオレって・・・
何でこうなっちゃうんだよ――――――