Girl's? collection 1

「何やってんだよ。」

呆れたような、少し怒ったような声。

そこにいたのは、ウチの学校の生徒。
きれいな黒髪。
整った顔立ち。
それに引き締まった体。

そうだ、この人「早坂ナオキ」君だ。

「すいません、この子オレの連れなんで。」

それを聞いて、
「ちっ、男連れかよ。」
「行こうぜ。」

男たちはすぐにどこかに行った。

早坂君はわたしに近づいて、
「大丈夫?」と尋ねた。

わたしは腰が抜けて立てなくなっていた。気が緩んだことで、どんどん視界が歪んでくる。

「あ・・・。」

気がつくと、泣いてた。

「ごめっ・・・・・その、気が緩んで――」

ぽんぽん・・・

頭に暖かい手。
早坂君は優しい顔でわたしの頭を撫でていた。

「泣いて、いいよ。誰にも言わないし。・・・・・・ゴメン、もうちょっと早めに来れば良かった。」

早坂君の言葉に思わず泣いた。

< 48 / 234 >

この作品をシェア

pagetop