Girl's? collection 1
――――――――――――
助けた彼女がひとしきり泣いた後。
「大丈夫?」
「うん、もう平気。助けてくれてありがとう。」
それは良かった。と言ってもたいしたことしてないけどさ。
「それにしても、どうして1人でこんなところにいたの」
「友達がトイレ行ったっきり帰って来なくて。それで迎えに・・・」
ん?トイレ?それって・・・
「あのさ、いっちゃ悪いんだけど、トイレは反対方向だよ。」
それを聞いて慌てだす彼女。
「えっ?嘘!?」
その動揺っぷりに思わず吹き出した。
「ははっ(笑)もしかして方向オンチ?」
「・・・う、うん///」
「じゃあ行こう。きっと友達も探してるだろうし。」
彼女の腕を掴んで、一緒に反対方向へ向かった。
「・・・////」
「あ、ゴメン。つい、掴んじゃって。」
無意識に手を掴んでしまった。
うわーー絶対引いた!
掴んでいた手を離した瞬間、なぜか彼女は悲しそうな顔をした。
あ、そっか。オレみたいな汚い手で触ったから嫌だったんだ。
「その・・・本当にゴメン。」
でも本当は違くて、彼女の腕を離したことを悲しがっていたことをオレは知らない。