金持ち女VS貧乏男
『しかし良い男だな!
良い男は若く見えるよな!な?母さん』


若く?柄にもなくお世辞なんか言って!
どう見たって40手前じゃん。

『いゃ~恐縮です。お父さんこそ全然60代になんか見えませんよ~』


…………父さんは57歳だよ…バカ…。



父は機嫌が良いのか笑っているだけだ。


時計を見ると11時だ。
『ねぇ、盛り上がってるとこ悪いけど帰らないと――』


私が席を立つと、彼は父と握手をしていた。



そして帰りに新吾は、野菜やらお節など、なぜか、お米まで持たせて貰ってる有り様だ。


私、野菜や栗きんとんは母に頼んだが、お米なんて、頼んだ覚えないぞ?

見送る両親に何度も頭をさげ、やっと彼が助手席に乗り、帰りの帰路についた。
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