金持ち女VS貧乏男

第十六章 貧乏男の真実

7年前、俺には将来を誓い合ってた彼女がいた。
彼女は夜の商売をしていて、俺は彼女の勤めているスナックに週末、よく飲みに行った。ラストまで居て一緒に帰ってくるのが、週末の日課になってた。


そんないつもの週末の帰り道。


『ねぇ新吾。私、店辞めよう思うの。昼間どっかでパートする』

自分の彼女が夜勤めてるなんて男なら誰だっていい気はしない。

俺は彼女の言葉に嬉しくなり、酔っていたせいか、道のド真ん中で彼女を抱きしめた。


『ちょ、ちょっと!苦しいよ!』


『俺、すげー嬉しい』


そして、これまた酔っていたせいか、道のド真ん中で、キスシーンを演じてしまった。

その時。


『馬鹿じゃねぇか!道の真ん中で、やってんじゃねぇよ!』


俺より、あきらかに泥酔だと思われる3人の男が声をかけてきた。
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