金持ち女VS貧乏男
『てなわけだ』


『そ…そう。私、あんまり過去は気にしないの』

とは言ったものの…。
平気なわけがない…。


『すぐ答えをくれなんて言わない。好きなだけ考えるといい』


話し終えた彼はリビングの真ん中で横になり目を瞑ってしまった。

夜中の2時。
私は眠れるはずもなく、ベッドに入り、やがて夜が明けるまで眠る事なく、ただ天井を見つめていた…。



『おはよう~。新吾~朝だよ~』

私は極力、普通を装い、リビングで寝ている彼を起こした。

結局、寝たのは朝の7時。時計に目をやり、2時間しか寝てない事に気づく。


『ん……。ぉぅ。おはよう』


私は1つ聞いてない事を思い出し、あまり気は進まなかったが聞いてみる事にした。


『ね…ねぇ、怪我させたって………死んでないんだよね?』


彼はしばらくの沈黙の後、ぼそりと呟いた。


『植物状態…』
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