金持ち女VS貧乏男
女は回覧板を受け取ると直ぐドアを閉めようとした。


ちょっと待ったぁ。
ここで閉められては全ての作戦が水の泡だ。


俺は勇気を振り絞り、女に声を掛けた。



『すいません…お湯貸して貰えませんか?』

そう。カップラーメンのお湯だ。

借りても返せない物だけに、最初言葉に困ったが
〝お湯ください〟と言うのもなんだか厚かましい。


今でも十分厚かましいんだが…


ちょっと困った顔をしてる女に

『いやカップラーメンのお湯をね…』


と付け加え言ってみたが効果無し…


すいませんと一声掛けられドアは閉まってしまった…

誰も風呂のお湯貸せなんて言ってねぇんだ!

たかがカップラーメン1ッコ分じゃねぇか!


やっぱ女神じゃねぇよな

あの顔じゃぁよ…
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