金持ち女VS貧乏男
私は自分でナプキンに書いて彼に渡した。


『あんたは?江口なんて言うの』


『俺?江口新吾』


そう言うと彼はナプキンに自分の名前を書いた。

へぇ。自分の名前はちゃんと書けるんだ…


私達はこの時、意気投合したわけではないが、一応、携帯番号とアドレスを交換した。



『お!これまたデカいプリンだねぇ』


運ばれてきたのはババロア。彼は一番最初に自分の分を取り、皆にどうぞと言った。


残ったババロアは半分…

『いや…あの…本当…
すいません…』


私は顔を上げる事が出来ずに、うつむいたまま、ひたすら謝った…


あんたの母親じゃないのよ!私は!


彼を見るとニンマリしながら食べているババロアは、すでに4分の1ほどになっていた…
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