今さらなのよ!

隆祐はかすみのうれしそうな顔を見て、ふと疑問をぶつけた。


「なぁ・・・どうして俺にはかすみちゃんみたいな運動能力がないんだ?」



かすみは笑顔のまま、


「まだ能力が覚醒していないか・・・ハーフだからじゃない?
半分は地球人なんだもん。
私のように、船団の中で生まれたのではないからだと思う。

記憶をあなたのお母さんが消したというのは地球人として生きてほしかったんだと思うわ。
戦争に明け暮れる生活とは無縁のところで生きてほしかったのよ。」



「そうだろうね。
そうか・・・。確かにこんな記憶があってもなくても今の俺は今の俺だし、かすみちゃんに護ってもらうことがあっても、俺には守れる力がない。
情けないなぁ。」



「護るなんて必要ないじゃない。
私たちの本当の親は、生きてほしいと思うからここに置いてってくれたんだもん。
隆祐さんは私が護ってあげるから、心配しないで。」



「おいおい・・・それじゃ、俺の立場が・・・。

あっ、そういえばうちの兄貴が、君と勉強以外の話ができないって嘆いていたけど自分の話なんてしないの?

もちろん、故郷以外のことでだけど。」
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