今さらなのよ!
ときめきと思わぬ出会い
隆祐が食堂に来なくなって3カ月がたち、テレパシーで呼び掛けても音信不通なままが続いていた。
かすみはとうとう卒業年度を迎え、進学か就職かを選ばなくてはならなかった。
「春川は進路は決まってる?
おやじさんが立派な実業家だし、あせることはないと思うんだけど。」
隆一は昨年に続いて卒業年度も担任だった。
「い、いえ・・・。まだ何も決めてません。
なんかいろいろ迷ってしまって。
先生にご迷惑かけないようにはしますから・・・。」
「僕には迷惑くらいどんどんかけてくれてかまわないよ。
気を遣ってもらうなんてとんでもない。
春川がいちばん過ごしやすい結果を出せばそれでいいことだから。
あ、そうそう。
今日から副担任がこのクラスに来るんだよ。
ピカピカの先生1年生がね。」
「へぇ。めずらしいですね。
この学校ってベテランの先生ばかりって思ってました。
先生が担任になったっていうだけでも大騒ぎだったというのに!」