今さらなのよ!
隆祐は思わず口に含んでいたご飯混じりの味噌汁を噴き出してしまった。
それと同時に目の前に起こった新たなピンチに目を見張った。
「うう・・・ううう。なんで・・・ふ、不覚だわ。」
「お、おおお・・・おまえは!」
「あ~~あ~~すまねえ。
わしが刺激的な事を言っちまったから。
ほんとに申し訳ない。スーツ汚しちまった。
クリーニングするからすぐ脱いでくれい。
おい、母さん、タオルかなんか拭くもの持ってきてくれ。
それと、おめえは早く、着替えてこい。」
「あ、待って。
君はここの娘さん?
あ、行ってしまった・・・。」
「山野辺さん、うちの娘とはもう知り合いかい?」
「ま、まぁさっきなんですけど、ちょっと人助けするのに手伝ってくれて。」
「そ、そうかい。
はねっかえりでおてんば娘なんだけどね、運動神経がよくて・・・。
でも、いつもなら客の粗相もうまくかわすんだけど、今日は体の調子でも悪いのかなぁ。
あ、わしは他の客の仕事あるんでまたな。
上着はできあがってきたら母ちゃんが電話して届けるから安心してくれな。」