今さらなのよ!

かすみの足が片方ずり落ちた状態で、かすみの体が落下せずに止まった。


かすみがまばたきをするまでの間に、隆祐が教室のカーテンをかすみのお尻に巻きつかせ、落下をはじめるときに、ぐいと屋上へとひっぱりあげられた。



「俺は皆の前には出るわけにはいかないから、このままどこかにジャンプする!
俺にしがみついてて。」



隆祐はカーテンを巻いたままの状態でかすみを抱えて、ジャンプした。



学校の屋上ではかすみがいなくなったことが発覚し、少し騒がしくなりかけたが、かすみが携帯電話で友達に連絡をいれたことで、大騒ぎにならなくて済んだ。



かすみと隆祐は体育館の体育倉庫に居た。



「どこも怪我はないか?」



心配そうに声をかける隆祐にかすみは手をあわせて頭を下げた。



「ごめんなさい。ごめんなさい・・・。
私、隆祐さんにすごい迷惑をかけて・・・。
ほんとにごめんなさい。

お仕事の途中だったんでしょう?
突然、呼びだして・・・私は。」
< 60 / 109 >

この作品をシェア

pagetop