今さらなのよ!
かすみはセイナの顔を少しながめると、声をあげた。
「あっ、バラで手を怪我した・・・。」
「もうすっかり怪我が治ったからね。君の心配をさせてもらったよ。
だが・・・今日のところは隆祐に完敗みたいだからね。
また会いにくるよ。
じゃ、仕事に行くから、またね。」
セイナはさっさとどこかへ消えてしまった。
「うぉ、おい、セイナ!
よわったな・・・。俺も仕事が・・・。」
「あ、隆祐さんも仕事行っていいよ。
私は・・・もう大丈夫だから・・・。このとおりだしね。」
「いや、かすみちゃんはこれから泣くつもりでしょう?
俺の役目はこれから・・・なんだよね。
兄貴がほんとにゴメン。
謝るしかできないし、兄貴はきっと君に謝罪して許しを乞おうとするよね。
でも、何とか許してやってほしい。
勝手なお願いだけど・・・兄貴とはもう・・・別れて。」
「それじゃ、隆祐さんが彼氏になってくれる?」
「俺でいいなら・・・ええっ!!!な、そんなかすみちゃん!」