今さらなのよ!

隆祐は真っ赤な顔をしながら、かすみの目をチラっと見た。



「ダメ?私のナイト様になってよ。」



「ナイト様というほど、俺は強くないけど・・・しがないサラリーマンだしな。」



「ダメなの?口もきいてくれないのも私が嫌だから?」



「そんなことない!俺が呼びかけに応じなかったのは、君に夢中になりすぎて兄貴を悲しませたくないから。

これ以上、接点を持ってしまったら、俺がかすみちゃんに手を出してしまうかもしれない・・・。そう思ったから。」



(俺はかすみちゃんを愛し始めてると気付いたときから、怖かったんだ。
俺のせいで、危険な目に遭わせることになりはしないかって・・・。

そんなことになったら、俺は・・・生きていけない。
はっ・・・ご、ごめん。)




(それはお互い様だと思いましょう。
私だって、先生に告白されて舞い上がって、ほんとに困ったら隆祐さんの名前を呼んでしまって・・・自分勝手ではずかしいわ。

でも、こうやってそばに居て声もあげずに話してて、すごくドキドキしてるの。
それって・・・私も愛し始めてる・・・ううん。
私、ずっと隆祐さんを心で求めてた。)


隆祐はかすみの言葉に思わず、抱きしめて口づけを交わすのだった。
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