今さらなのよ!
隆祐は仕事が終わると兄の隆一が住む家へ帰った。
2人兄弟の両親は2年前に交通事故で亡くなってしまい、想い出のある実家を処分して2人で今のところに1戸建てを購入したのだが、購入してすぐに隆祐は広島へと転勤になってしまったのだった。
「ただいま~」
「おぅ、おかえり。
こっちはやっぱり仕事がきついか?」
「そんなこともないよ。
歩きまわる範囲もせまいし、太ってしまうかもしれないなぁ。」
「へえ、余裕じゃないか。
あ、そういえば・・・おまえデパートで人助けしたんだってな。
俺は情報に疎いから、学校で先生と生徒からヒーローの兄だってワアワア言われたゾ。」
「あははは、ヒーローねぇ。
そんなかっこいいもんじゃなかったんだけどな。(女の子に投げられたんだし・・・)
俺だけじゃ助けられなかった。
協力してくれた女子高生がいてさ。
彼女のおかげっていうか・・・。」
「おっ、もどってきて早々、いい出会いがあったのか?
でも、女子高生に手を出したりするなよ。
俺は先生だからな、黙ってみてるわけにはいかんからな。
おまえのことだから女の子の名前だの住所だのってきくこともないんだろうけどさ・・・。ははは。」