今さらなのよ!
隆祐が駅の方に向かって歩き出し、後ろから盛名も歩きだした。
そして背後から声がする。
「また夢を見たんです。事もあろうか、我が同胞の誰かが山野辺さんを狙って・・・それで・・・大量の出血をしている姿が。」
「俺はその後、殺されたのかい?」
「それが先を知りたくて見ようとしてるんだけど・・・頭痛がひどくなって先がわからない。
こんなことは初めてなんだ!
どんなに嫌な夢であろうと、結末らしきものまでは見えてたんです。
だけど、今回は・・・血を流しているあなたの姿までしか見えない。
倒れて意識不明までもいってない・・・。
生きているのか死んでいるのかも不明です。」
「でも、俺が血を流しているところまでは毎度のことなんだろう?
襲われてしまうことだけは確かということなんだろうね。
うーーーん・・・弱ったなぁ。
街で血まみれなんて目立ち過ぎるじゃないか。」
「気にするところはそこなんですか?
身の危険、自分の命の心配は?」
「すごく怖いよ。話を聞かされるだけで震えるほどに・・・ね。
けど、盛名の予知夢はどうにもならないことなんだろう?」