今さらなのよ!

テレポートしてすぐに異常な光景はかすみを叫ばせる。


「隆祐さん!!!!どうして? しっかりして。えっ??血が・・・」


腹を押さえて床に倒れ込んだままの隆祐を見て、盛名の予知の言葉を思い出した。


「隆祐さん、しっかりして。私がわかる?すぐに止血するから・・・」



かすみは隆祐の腹の傷口を回復させようとしたが、傷口が深くて血が止まらない状況だった。


「どうしたらいいの?救急車じゃとても間に合わないわ。
私に傷ついたこの人を連れて病院へ跳べる力もないし・・・どうしたら・・・お願い、神様。
隆祐さんを助けてくれるなら、私何でもするから助けてーーーー!」



かすみは泣き叫びながら隆祐の血が流れるお腹を押さえていたが、血だらけになったかすみの手の上に隆祐が手を乗せた。



(泣くな。泣かないで手を貸して。俺を助けて・・・かすみちゃん。)



「隆祐さん!どうすればいいの?」


隆祐は声もたてられないほど弱ってはいたが、かすみの手を掴んだ手は離すことはなく、かすみの手にエネルギーが満ちてくる感じに思えた。


(2人なら・・・大丈夫。かすみ・・・俺を好きになって・・・。)
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