今さらなのよ!
「あ~~~そうね。浩輔ならかすみの家に近いしいいかも。」
「えっ・・・そうなんですか?」
「行きましょう。」
松橋浩輔は大学の3回生でかすみの先輩である高橋美穂子の同じ学部の後輩だった。
高橋美穂子はかすみの恩人と言ってもいい先輩で、かすみが力余って同級生に怪我を負わせてしまったときに、ただひとり生徒会長としてかばってくれた先輩だったのだ。
不可抗力だという結論が出た後に、かすみはやっと普通の学生生活にできるようになったが、美穂子がいなかったら・・・と思うと感謝しきれない人なのであった。
「美穂子先輩が無理を言って断れなかったんですね。」
「えっ?」
松橋はかすみの顔をのぞきこむように、フッと笑う。
「あの・・・私は・・・。」
「四つ葉女子高校の春川かすみさん。」