今さらなのよ!
隆一は頭を押さえながら・・・話し始めた。
「おやじに会って何もきいてないんだな。
あのおやじさんは実業家でな。
食堂は趣味みたいなもんで、多額を稼ぐ事業はラブホテルの経営の方だ。
従業員雇うとお金がかかるからって娘2人に手伝わせてる。
お姉さんはもう成人してるから、いいんだが・・・妹は未成年だからなぁ。
いくら給料をとってないからっていってもなぁ。
家庭訪問のときに、俺がうるさく手伝いをさせるなら食堂の方にしてくれって言ってきてまだ間がないんだ。」
「さすが、我が兄上。
俺が先生でもそう言うな。
それにあの元気さで、ラブホで受け答えされたんじゃ利用者の方が気まずいだろ。あはははは。」
「元気?明るい?・・・おかしいなぁ。
あのコは学校ではいじめは受けてないようだが、物静かでときどき何かに困っているような顔をしているぞ。」
「何かに困ってる・・・?
あ・・・。そうなの。」
「おい、おまえ・・・。何か知ってるんじゃないのか?
彼女のことで何か知っているなら教えろ。」
「いや、知らない。
店で会ったから営業用の顔だったのかもしれないしな。」
「そうか・・・。」