ヒ-ロ-なんていらない
穂香ちゃんと恋人になったのは俺の誤算。


彼女の気持ちに気づいてたし、俺だってずっと好きだった。


だから、彼女からの誘いや、告白は上手くはぐらかしていた。


ここを離れると決めていたから。


世界一大切で愛しい女の子だった。


『また、誰かに取られてもいいの?』


という言葉で挑発された俺は、


ついに一線を越えてしまった。


一度そうなってしまったらもうなし崩しのようだった。


手放せなくなると分かっていながら会うたび彼女を抱いて、


甘い時間を過してしまった。


俺が日本を離れるその日まで。



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