ヒ-ロ-なんていらない
「唐澤さんて有名人なんだね?」


教室で帰宅の準備をしているあたしに


隣の席の浅野さんが声を掛けてきた。


「ああ、兄が去年までここにいたから。あたしは全然だよ。」


「そうなの?そうだ、唐澤さんは放課後生徒会室行くでしょ?一緒に行こう。」


「え、どうして?クラス委員だけでしょ?」


「新入生代表になった人は書記になるって決まってるんだよ。」


「え~?きいてないよ。」


頭の上を丸めたプリントで軽くたたかれて振り向くと


「だから今言いに来たのよ!!」


聞き覚えのある声


「結姫ちゃん。」


「組織の顔合わせと紹介するから必ず来るのよ。」


そういうと結姫ちゃんはあたしに、


呼び出しの書類を渡して教室から出て行った。


さすが生徒会長だ。さすがの存在感。

「生徒会長と知り合いなんてすごい!」


「あ~、兄の彼女だから。」


なんであたしの周りは、こんなつわものばかりなんだろ・




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