ヒ-ロ-なんていらない
「今は未だ許せるとは言えません。


 かといって拘っている訳ではないけれど。


 あの時の事は、あたしだけじゃない他の人も巻き込んだ。


 だから、あなたとは握手しません。」


「そう、それじゃあしょうがないね、許してくれるまで努力するつもりだよ。」


そういうと生徒会室を出て行ってしまった。


少し落胆したような表情の下で


違和感のある笑顔を見た気がした。


「やるわね、いつも守られてるお姫様がどう答えるか興味あったけど


 さすが、健一の妹だわ。でも、同じことを答えるなんて驚きだわ。」


結姫ちゃんは、呆れた顔しながら、


「健一に守ってやれって言われたけどその必要もなさそうね。」


要らないわよね?て顔をしたので、


「大丈夫です。」と答えた。


時々結姫ちゃんの黒い感情を受ける時がある。


本来は優しい人なのだた思うが、お兄ちゃんのあたしへの溺愛ぶりは


彼女としては許しきれないものに違いない。






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