ヒ-ロ-なんていらない
紬君には年の大きなお兄さんがいて

色んな意味で早熟な子だった。


時々、


エッチな本を持ってきたり


ビデオを持ってきたり


大人の性の情報を家に持ち込んでくることがあった。


そんな時は決まってあたしだけはのけ者にされ


部屋から出ないようにきつくお兄ちゃんに言い渡された。



だから、紬君が大嫌いだった。



でも、紬君は違っていた。


いちばん身近な異性のあたしを


女としていつも見ていた。


たぶん彼の初恋は、私だった。



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